328号室の大統領
#2

REVOLUTION
ほんの150年前までは武士の中でも上士、下士と身分が違う世界で、生まれたときから身分差が生じていた。下士のやつらが頑張ったら上士になれる。なんてことも間違ってもあり得なかった時代。生まれた時から殿様は殿様。上士は上士、下士は下士。商人は商人。なんて感じで、意見、文句も上から下へしか通らない時代だ。下から上を睨んだとたんにあっさりと刀で切られる。だから、だれも文句なんか言わない!言えたもんじゃ無い!死んじゃうんだから、間違いなく。だからどんどんと上から下への押し付けしかない、みんな溜まっちゃうよ。この目に見えない階級にストレス感じちゃってる。でも、いつかそのストレスは不満となりどこからともなくこの不満を解消したい同志があちこちに出現した。突然生じた、きのこ(MUSHROOM)のように!そいつらがその志の網を張るのにそう時間はかからなかった。いきなり繋がった。それには、時代背景も大きな影響を与えた。

黒船の来日
自分達の世界しか知らないのんきな階級社会にどっぷり浸かっていた日本人は慌てた。慌てたことがない、しかもぬるま湯にどっぷりと浸かってふんぞり返ってた武士達の慌て様は目に浮かぶ。いつも、アゴで人をつかって危機感なんて感じたことのない人が本当の危機に直面したんだから、どうしたらいいのかわかるはずもない。だから、そこそこ幕府に近い侍達はどうしたらいいのか?幕府の指示をじっと待ってるだけだ。考えたことがないから考えられない。指示を待ち続けた。(この時の役人侍は命の次に大切な刀は、真剣でも見てくれを意識した短いものが主流になっていたそうだ。格好重視か!)けど、ふんぞり返ってたのは幕府役人も同じだから、そいつらもどうしたらいいのかわからない。この機を不満を持ち続けた同志が逃すはずはなかった。と、言うか「これはチャンス!絶対に時代を変えれる」と確信しただろう。闇の中にかすかな光を希望を見つけた瞬間だ!
黒船の到来によって幕府はすべてのボロをさらけだす形となる、黒船から大砲を突き付けられたのに対抗して本気で寺の鐘を集めて海岸線にダミー大砲を作って対抗した。これを観たら普通の奴ならがっかりするぜ!『おいおい、幕府の連中はなにやってんだ。だめだこりゃ!このままじゃあ、俺達ヤバいよ。取り押さえられてポイ!されちゃうんじゃねえの?』って感じだろう。な〜んか今の日本の組織そのままって感じ。『うちの社長は大丈夫?時代ずれてるんじゃないの!』『日本の政治は大丈夫?時代ずれてるんじゃねえの?』って。黒船がやってきて異国人がいること、この世は我々だけではないことを現実に知らされ、バブルがはじけて日本のシステムが世界のシステムではないことに気付く。


この機に立ち上がった同志は本気だった。命を賭けても変えたかったものがある。もし、それが叶わない時は自ら自分の人生に幕を退かなければいけない。だからこそ、必死だった。本気だった。現代人に自分の腹を切る覚悟どころか舞台から降りる勇気すらない。一度ついたポジションに必死にしがみつこうとする、日本人の悪い癖だ。舞台から降りることが新しい舞台を創ることになることに気付かない。もう舞台を創りたくないのか、疲れてしまってるのか。お金を稼いでハイ!おしまい。『俺はサクセスを手に入れたんだ〜。金持ちだ。成功者なんだ〜』って。でも、金の使い方を知らないから、たちが悪い。金を稼ぐ志しかないのか?

幕末
時代が同志を繋げ、同志が時代を動かした。階級制度の崩壊。人間として平等に自由を得ることになる。この歴史から学ぶこと。それは、この国を動かしたのは幕府ではなかったこと。本気で『このままじゃいかん!』と思った同志、下士のクーデターである。なぜ、下士が動いたのか?士農工商と下士にしてもそこそこの階級である。侍であるがほぼ同じ格好をしている上士との間の目に見えない階級差は『同じ侍なのになんでじゃ?』と感じさせるには十分であった。特に土佐(高知)では激しい階級差だったらしく、当然のことながらここから変革の風は吹きはじめた。屈辱以外の何ものでもなかったのだろう。『こんな人生なら、生きてる甲斐がない!!それなら、命を賭けて変えちゃるか!』って。

維新
階級制度が崩壊した明治維新。本当に自由を得たのだろうか!一番この維新を望み貢献した張本人『坂本竜馬』は幕府に引導を渡すと同時に命果てた。彼の目指した自由な社会とはどんな社会だったのだろうか?この国を本気で愛した男の夢はなんだったのか。坂本竜馬は一つの時代に幕を退いた人物として英雄とされてるが、時代を創ることこそが彼の使命だったのではないか!?

世紀末
自由と平等が当たり前の世の中。自由ってなんだろう?平等ってなんだろう?本当に自由か?平等か?小さい頃から日本のシステムに浸からせられた日本人がグローバル(世界標準)で物事を考えるにはまだ時間がかかるのかも知れない。でも、本当の命の使い方、本気で人生の歩み方を探しだした時に初めて『自由』とはなにかを知る!いつの時代も『自由』とは自分の手で掴みとるしかないのだ!誰かが与えてくれるわけでもないし最初から自由なんてあり得ない、自分の力で、自分を信じて、掴みとるもの。

幕末と世紀末
幕府の階級制度に自由を奪われて自由を得ようとした幕末、政府に『自由だろ!』って洗脳されて自由な気になってる20世紀末。とりあえず、本当の『自由』を得るかどうかの意志は自由だ!!強い強い精神力は俺達のDNA に組み込まれているはず。目を醒ませ!!
心が変わると行動が変わる
行動が変わると習慣が変わる
習慣が変わると生活が変わる
生活が変わると人生が変わる
人生が変わってる時すでに時代は変わってる
だって、時代と自分は同じ時空を旅してるんだから

俺だけ変わったところで何も変わらないよ!なんて言ってる奴に運命の糸は繋がらない。本気になったことがない奴に運命の糸は見つけられない。そろそろ本気になってもいいんじゃないか?時代も20世紀から21世紀と変わることだしね!!

HOKKAIDIAN 328
REVOLUTION-SOLUTION-CONTRIBUTION



2000.DEC.

328
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